利口な女狐の物語 国民劇場 オペラ

利口な女狐の物語 Prihody Lisky Bystrousky

 

作曲:レオシュ・ヤナーチェク

原作:ルドルフ・チェスノフリーデク

台本:レオシュ・ヤナーチェク(作曲者)、チェコ語

初演:1924年11月6日、ブルノ、国立劇場

 

あらすじ

 

第1幕

第1場:森の中

辺りは深い森の中。生き物達が次々と現れて忙しそうに駆け回り、青トンボは木々の間を縫って踊っている。そこに森番が「嵐が来そうだ」と歌いながら登場し、一休みしようと横になる。森は生き物達の音楽会になる。バッタのバイオリンに合わせ蛙が歌っている。その歌に誘われてやって来た狐の少女ビストロウシュカに驚いた蛙が、居眠りをしている森番の顔に飛び乗り、森番は「冷たい!」と叫ぶ。目を覚ました森番は青トンボに見とれているビストロウシュカを見つけ、「子供が喜ぶぞ」と言って、家に連れ帰る。

第2場:森番の庭

森番の庭でビストロウシュカは近所の子供達にいじめられ逃げ回っている。騒ぎを聞きつけた森番が子供達を追い払うが、自由を失ったビストロウシュカの心は晴れない。すると番犬ラパークが近づいて来て「嘆くな、オレも一人だ。恋も知らない」と歌う。それに答えてビストロウシュカも「私も恋の経験はないけど、鳥たちのおしゃべりから色々教わったわ」と話す。そこに森番の子供たちが現れ、ビストロウシュカを再びいじめだす。怒ったビストロウシュカは子供の足に噛みつき、森番に縄で繋がれてしまう。犬のラパークが先輩ぶって「俺のように人間とはうまくやらなきゃ」とお説教をするので、ビストロウシュカは気に入らない。その時、雄鶏が現れて「卵を産め!雛をかえそう!」と騒ぎたてる。従順な雌鶏達は、せっせと卵を産み温めている。雄鶏はビストロウシュカの所にもやって来て「役立たず」と馬鹿にする。たまりかねたビストロウシュカは「姉妹達、平等な世界を作るんだ!雄鶏の意のままになるな!」と叫び、憤死を装う。様子を見に来た鶏達を待ち構えていたビストロウシュカは、まず雄鶏を殺し、縄を噛み切り、逃げ惑う雌鶏達も殺してしまう。慌てた森番の妻は箒を持ってビストロウシュカを追い、森番が銃を撃つ。しかし、すばしっこいビストロウシュカは森の中に逃げて行く。

 

第2幕

第1場:穴熊の巣

穴熊が巣の中で新聞を読んでいる。逃げて来たビストロウシュカが勝手に巣穴に入ってきてうるさく騒ぐので、穴熊が文句を言うと、森の生き物達がビストロウシュカに同情する。仕方なく穴熊は巣穴を明け渡し退散していく。人間の束縛から解放され、快適な巣穴も手に入れビストロウシュカは大満足である。

第2場:居酒屋

居酒屋で森番は、常連の校長や牧師とカードをしながら世間話をしている。森番が校長の失恋話を酒の肴にからかうと、校長も女狐騒動を持ち出してくる。森番は「もうその話はたくさんだ」と不機嫌になる。夜も更け鶏が鳴き出すと、校長と牧師は家路につく。居残る森番に居酒屋の亭主が、また女狐の話をしかけるので、森番は逃げ出すように店を出る。

第3場:月夜の帰り道

校長は森の小道を千鳥足で歩きながら、「重心がぐらついている」と歌う。道端のひまわりを憧れの女性テレンカと間違え愛を告白し、その場に寝転んでうたた寝を始める。そこに牧師がやって来る。切株に座り込んで、昔の苦い失恋を語りだす。すると夜の森に森番の銃声が響く。目を覚ました校長と牧師は去り、木陰で様子を見ていたビストロウシュカも森の奥に逃げて行く。

第4場:ビストロウシュカの巣穴

ビストロウシュカが巣穴に戻ると、雄狐のズラトフシュビーテクが通りかかる。お互い強く惹かれあい、身の上話を始める。ビストロウシュカは人間に飼われて教育されたこと、そこを逃げ出し独り立ちしていることを、活きいきと歌って聞かせる。雄狐はそんなビストロウシュカにすっかり夢中になり「僕の名前は‘金色の毛‘」と自己紹介をする。そしてビストロウシュカのためにうさぎを仕留め、改めてプロポーズにやってくる。恋に落ちた二人は「愛し合うのは初めてだけど」と伸びやかに歌い、恥じらいながらも結ばれる。巣穴の中のニ匹に興味津々の生き物達が集まって来る。身ごもったビストロウシュカと雄狐は結婚式を挙げ、皆は踊り祝福する。
 

 

第3幕

第1幕:森の空き地

荒々しいブラスの響きが刻まれ、森の空気が緊張する。そこに行商人ハラシュタが登場し、密猟の見回りをする森番に会う。ハラシュタは自慢げにテリンカと結婚する事になったと挨拶し「大地に誓って密猟はしていないが、向こうで野うさぎの死骸を見つけた」と話す。今なおビストロウシュカを狙う森番は野うさぎの死骸に罠をしかける。森番とハラシュタが去ると、早速子狐達を連れてビストロウシュカがやって来る。しかしすぐに罠を見破り「近づいては駄目よ!」と子供達を追い払う。ビストロウシュカと夫の狐は仲良く「我々は子供を何匹作ったかな?」と歌い、5月になったら次の子作りをしようと微笑みあう。そんな甘いひと時を断ち切るように、ハラシュタの「テリンカのためにマフを作ろう」と歌う声が聞こえてくる。ビストロウシュカは「狐というだけで命を狙われるなんて!」と憤慨しながら逃げ回り、ハラシュタを撒いてしまう。そして置いてあったハラシュタの背負い籠の中の鳥を、子狐と一緒に食い荒らす。戻ってきたハラシュタは怒り、ビストロウシュカを撃ち殺す。子狐達は不思議そうに死んだ母狐を取り囲むが、やがて森の奥に消えていく。

第2場:居酒屋

森に夜が訪れる。ビストロウシュカの死を呑みこむかのように、生き物達の濃密な生への営みが表現される。居酒屋では森番と校長が二人で酒を酌み交わしている。常連だった牧師は新しい赴任先に赴いてしまった。テレンカの結婚を知り「もう、駄目だ」と傷心の校長を、森番は何とか元気付けようとするがうまくいかない。森番も年をとってしまったと元気を失くし、家に帰ることにする。

第3場:森の中

家路の途中、森番は結婚した翌日に妻と二人で行ったキノコ採りを思い出す。「愛し合うのに夢中で、キノコをたくさん潰してしまった」と若く楽しかった日々を歌う。帰らぬ昔を思い出して少し顔を歪め、横になって休もうとする。すると森に日没の光りが射し込み、はっとしたように起き上がる。その顔は希望に満ちている。森番は「私は日没の強い光が好きだ。その時森は驚くほど美しく、愛がよみがえる。人々は天から恵まれた幸せに包まれる。」と力強く歌い上げる。満足げな様子でもう一度横になるが、生き物達の気配にまた起きだす。ビストロウシュカの子供があの日と同じように青トンボの踊りに見とれている。蛙も木陰から同じように現れる。森番は「あの時の冷たい奴(蛙)だな」と話しかける。すると蛙は「あれは僕のお祖父さん、あなたの話は何度も聞かされたよ」と話す。森番は生き物達に囲まれ、巡る命の力をかみしめる。日没の光で森は明るく輝いている。〈幕〉

プログラムとキャスト

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FEB 2020

国民劇場 プラハ

国民劇場(こくみんげきじょう、チェコ語: Národní Divadlo)は、チェコの首都プラハにある劇場。チェコの歴史と芸術を代表する建築物である。

 

国民劇場は、音楽の盛んなチェコにおける最重要機関であり、チェコを代表する芸術家らによって創設、維持されてきた。この伝統により、チェコの言語、音楽、思想などが保存・発展してきたものである。

 

今日では、国民劇場はオペラ、バレエ、演劇を提供している。いずれも、著名なクラシックなどに限定せず、地域のものや現代のものも上演している。

 

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